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議員報酬引き下げなど提言ー日本共産党名古屋市議団

 
 日本共産党名古屋市議団は4月7日、「名古屋市議会の改革推進のための提言」を発表し、議員報酬の引き下げを打ち出しました。
 河村たかし市長(元民主党衆院議員)が4月臨時議会(19日開会)で「議会改革」条例案(「議員報酬半減」条例案)を再提案する動きをみせるなか、憲法の2元代表制の立場で議会と議員の役割の発揮をめざす「名古屋市議会基本条例」(2月議会で制定)を具体化・発展する目的で出したものです。
 「提言」は、この間実現した議会改革の教訓として、?経費の透明性の確保と説明責任の実行?「密室」「なれ合い」など従来の審議の慣行の打破?市民公開・市民参加の拡大?政策提案・条例提案の活発化を指摘。
 これらを踏まえた「さらなる改革の重点課題」として?公募市民、学識経験者が参加する「報酬調査検討会(仮称)」を議会にもうけ、議員報酬の引き下げを検討する?多様な民意を切り捨てる定数削減や小選挙区導入、2人区拡大に反対する?政務調査費の使途の適正化と減額?任期中に1度の慣例的な海外視察と、委員会の個人視察の廃止?議会の広報活動の抜本的強化?企業・団体献金の自粛―を提案しています。
 わしの恵子市議団長は会見で、「市民は住民福祉と地方自治の拡充のために議会にしっかり役割を果たすよう求めています。市民の願いに応え、日本一開かれた議会をめざし、他会派にも呼びかけ、全力で改革を実現したい」と語りました。
 

「報酬」と「定数」の提案

「さらなる改革の重点課題」の?議員報酬?議員定数の部分を紹介します。
?議員報酬の引き下げ
 現在、名古屋市議会は、条例で定められた報酬額(月額99万円)を特例措置として89万円に10%減額しています。しかし、市民の雇用不安や所得低下は一段と深刻化しており、条例報酬額そのものを特例措置以下に引き下げることを真剣に検討しなければなりません。
 地方自治法第203条は議員報酬の支給を定めています。「名古屋市議会基本条例」は議員報酬について「議員活動に専念できる制度的な保障が必要」と明記しています。
 議員は、市民の要求にもとづいて地方自治を守り発展させる任務をもっています。そのためには議会開会中にとどまらず、日常不断に市民との結びつきを強め、調査研究や政策学習に励み、市政と市民を結ぶ活動に専念しなければなりません。
 議員活動を保障する報酬は、市民の意見を市政に反映させ、市民の参政権を生かすために必要な民主主義の経費といえます。
議員を「政治ボランティア」として「無償化」すべきだとか、「報酬は低ければ低いほうがよい」という主張がありますが、それでは一定の資産のある者以外は議員になることが困難になり、民主政治の発展を妨げることにもなります。
 議員報酬の基準は法律で決まっていません。「報酬半減」や「800万円」に合理的な根拠はありません。議員報酬の額は、市長の押し付けでも、議会のお手盛りでもなく、市民参加・市民公開で検討することが大事ではないでしょうか。
 日本共産党市議団は、公募市民、学識経験者が参加した「報酬調査検討会(仮称)」を議会にもうけ、議員の役割や市の財政事情をふまえ、市民感情を十分尊重し、議員報酬の引き下げを検討することを提案します。

?参政権を保障し多様な民意を反映する定数が必要
 市議定数は市民の参政権を保障し多様な民意を市政に十分反映する立場を貫くことです。
 河村市長が2月議会に提出した「市議定数半減」案に対し、市民から「議会破壊」「ファッショ」などの強い批判がおきました。市長の議会攻撃の根底には、憲法の定める2元代表制を否定する立場があります。
 名古屋市議会の議員定数は現在75。地方自治法による名古屋市の法定上限定数は88で、これが定数を考える基準です。現行定数はすでに法定を13下回っており、定数削減は民意を削減し、市民の参政権を弱めることにつながります。
 日本共産党市議団は、少数意見をはじめ多様な民意を切り捨てる定数の削減や小選挙区導入、2人区拡大に反対します。人口増には定数増で対応すべきと考えます。(2010年4月9日)