子の成長阻む貧困ただす
愛知県内の保育関係者が、子育て環境の充実・改善をめざして調査・研究する「愛知保育研究所」(神田秀雄所長)が発足しました。
11月29日に名古屋市熱田区で開かれた設立記念フォーラムには120人が参加。保育士や教員が「子どもの貧困」の実態を報告し行政の対応の遅れが浮き彫りになりました。
女性保育士は、「失業中の父親から日常的に怒鳴られている4歳の男の子は、他の園児を受け入れることができず、たたくことが多くなってきた」などの事例を紹介。「不況で経済的に不安定な家庭が急増し、子どもの育ちに深刻な影響を及ぼしている」と強調しました。
小学校の男性教員も、子どもの問題行動の背景に、家庭の貧困があると述べました、
まとめの発言にたった、水谷暎子・愛知保育団体連絡協議会会長(同研究所運営委員)は、「家庭の貧困が子どもの発達に与える影響や、保育者に求められる課題を明らかにし、社会に発信していきたい」と語りました。
同研究所は、2年前に県内で開かれた「あいち合研(第39回全国保育団体合同研究集会)をきっかけに設立準備委員会が発足。今後はフォーラムの内容を「研究紀要」として発行するとともに、保育者向けの講座や子育てにかかわる情報を収集・発信する予定です。(2009年12月3日)