三菱電機に派遣切りされた3人の労働者が3月9日、同社と各派遣会社を相手取り、三菱電機社員としての地位確保と損害賠償を求め、名古屋地方裁判所に提訴しました。
原告は、就業期間6年9ヵ月の男性(43)、同5年2ヵ月の女性(38)、同8ヵ月の男性(33)、いずれも名古屋北部ユニオンの組合員です。
訴状によると、3人は同社名古屋製作所(名古屋市東区)で派遣労働者として働いていましたが、いずれも昨年12月、契約期間途中で解雇を通告されました。
同社は偽装請負や、同一業務で3年以上にわたり、派遣労働者を就業させ、労働基準法、職業安定法、労働者派遣法違反を行ってきました。
各派遣会社は、三菱電機の派遣契約解除によって労働者に解雇を通告しており、解雇の決定権限は三菱電機にありました。しかし同社が団体交渉の求めに誠意ある対応を示さないことから、提訴に踏み切りました。
3人は提訴後の会見で、「危険な作業を強制され、正社員以上に酷使されてきたのに、時給は6年間で20円上がっただけだ。解雇は絶対に許さない」「泣き寝入りせず仲間と一緒にたたかう」「裁判に勝つことで、多くの人が立ち上がることを望んでいる」と話しました。
弁護士の渥美雅康、加藤悠史氏は「三菱、大企業の不当な派遣切りを世に問いたい」「司法は派遣切りを許さない、歯止めの役割を果たしてほしい」と述べました。