日本共産党や革新市政の会などで構成する反貧困共同実行委員会や名古屋越冬実行委員、笹島連絡所などの支援団体は14日も、名古屋市中村区役所で仕事と住まいを求める労働者を激励し、市側と交渉しました。
この日の交渉では、寒空に放り出すのではなく、せめて宿泊先の確保だけでも、という悲痛なうったえが相次ぎました。交渉に参加したのは労働者や支援者ら約50人。7日に閉鎖された港区の無料宿泊施設「船見寮」の再開設や、市の借り上げた社員寮の空き部屋の利用、国や県も含めて連携して野宿者を出さないための対策を直ちにとることなどを申し入れました。
しかし、対応した若杉賢二生活福祉部長は「これまで通り、市の施設をフル活用していきますが、新たな対応は検討していません」「施設に空きがないので、明日またお越しいただくしかありません」とこれまでの回答を繰り返しました。
「フル活用するといいながら、船見寮は閉鎖して空っぽのままじゃないか」と問い詰められても、「同施設は臨時的なものなので使えません」と繰り返すだけ。最後まで市側は、市長もすべて了承していることだとして、応じませんでした。
職を失い年明けから野宿生活をしているという男性(66)は「なぜ数日前まで開いていた施設をまた開くだけのこともできないのか。ちゃんと理由を説明してくれないと納得できない。お帰り下さいと言われても、帰る場所がないんだ」と語りました。
交渉は4時間近くにわたり、この日も夜まで続けられましたが、市側は決定したことだと譲らず、10数人が宿泊先を確保されないままとなりました。
支援団体によるカンパでホテルに移動した人もいましたが、区役所に泊まった人もいました。