名古屋市の無料宿泊施設「船見寮」の閉鎖で400人が退出させられ、同市中村区役所に住居を求める相談者が殺到していることから、新日本婦人の会中村支部(安達和子支部長)と日本共産党南西地区員会は8日、豚汁とおにぎりを順番待ちの相談者に配り激励しました。
区側は当初、敷地内への食事持ち込みに難色を示しましたが、献身的な活動に心を動かされて待機場所を提供し、相談者に声をかけるなど協力しました。
応援してくれてうれしい
昨年11月に派遣会社を解雇された男性(60)は「応援してくれてうれしい。みなさんの運動のおかげで区役所の対応も丁寧になってきた。政治はホームレス者がなくなるまで責任をもってほしい」と話しました。男性は土木現場に派遣されていましたが、医療保険に入れてもらえずに身体を悪くし、医者にかかりたいと言います。
党地区常任委員の西田とし子さんは「一人も路頭に迷わせないよう全力で支援したい。多くの支援者から支援の申し出もあり、ひきつづき炊き出しをします。また、根本的な解決のために、政治の責任を問い続けたい」と話しました。
職と住居を失った労働者が殺到
あいつぐ“非正規切り”で職と住居を失った労働者が急増し、同区役所では7日に121人、8日は正午までに66人の相談を受け付けました。しかし、市が新たに宿泊先として確保した民間社員寮は13日までしか利用できません。
非常事態の認識で対応を
ホームレス者の支援活動を継続している笹島診療所の藤井克彦さん(66)は「派遣切りや解雇はさらに増える予想で、年末年始対策だけではだめです。市は場当たり的でなく、非常事態の認識できちんと対策をとってほしい。生活保護法を活用した自立支援を積極的にやるべきです」と指摘しました。