トヨタ自動車堤工場で働いていた内野健一さん(当時30歳)の過労死を国に認めさせた妻の博子さん(38)が9日、厚生労働省内で舛添要一大臣に会い、二度と過労死を出さない対策をとってほしいと訴えました。
名古屋地裁は昨年11月、自主活動とされていた、「QC(クオリティーコントロール)サークル活動」についても労働時間と認め、亡くなる直前の一ヵ月の残業時間が106時間45分にのぼっていたと判断。業務外とした豊田労働基準監督署の決定を取り消し、過労死と認める判決を出しました。国は控訴を断念し、判決が確定しています。
過労死を生む違法なサービス残業の根絶など、企業に対する指導強化を要請しました。
要請には、日本共産党の小池晃参院議員、佐々木憲昭衆院議員、八田ひろ子元参院議員、水野幹男弁護士が同席しました。
博子さんは、「6年前に夫が亡くなり、子どもは1歳と3歳で大変でした」と涙ながらに語り、二度と過労死を生み出さないでほしいと訴えました。
舛添厚労相は「本当にご苦労さまでした」とのべ、「働く人の権利を守っていかないといけない。引き続き改善していきたい」と表明しました。
博子さんはまた、遺族年金の算定で判決が認められた残業時間を除外していることを指摘し、是正を要求。佐々木氏が「判決で確定した労働時間を算定に入れるべきだ」と求めたのに対し、舛添厚労相は「調査したい」と答え、同席した担当者に指示を出しました。