「合併して負担は増えたが、何もいいことはない」。そんな声も聞える稲沢市で、同市と旧祖父江町、旧平和町の合併後初の市議会議員選挙が16日告示、23日投票でおこなわれます。
7月の参院選で、自民・公明の大敗をうけての県内初の市議選です。安倍政権の地方切り捨て政治にきびしく対決してきた日本共産党が、稲沢市政での存在意義をどう示すか、注目されています。同党は旧稲沢地域で2人、旧祖父江町、旧平和町の各地域で1人ずつ候補者を立て、合計4議席の確保をめざします。その取り組みを紹介します。
★稲沢選挙区(定数24。4減)
稲沢選挙区では、渡辺ゆきやす(56)、茶原たかこ(59)の両現職が議席確保に全力をあげています。
合併を機に、旧稲沢市民の負担も増えました。77歳から支給されていた敬老祝い金が80、88、100歳の節目支給だけに減らされ、し尿汲み取り料や浄化槽清掃費補助、乗り合いタクシーも廃止されました。介護保険料が引き上げられ、国保税の滞納世帯も広がっています。
日本共産党の両候補は巡回バスの早期実現、中学校卒業までの医療費無料化、妊婦無料検診の拡大、国保税・介護保険料の引き下げ、市民病院早期建設などの公約を掲げ支持を訴えています。
★祖父江選挙区(定数6。12減)
旧祖父江町は定数が18から6に減りました。日本共産党は3人の現職をそがべ博隆候補(52)1人にしぼり必勝の構えです。
稲沢市に吸収された旧祖父江地域では、旧町の施策を「稲沢に合わせる」ということで、なし崩し的に後退しています。旧町時代は維持管理の地元負担を廃止した防犯灯は、毎年100基以上設置されていました。合併後は地元負担が復活し、05年度19基、06年度20基に激減しました。
無料だった巡回バスも有料になり、昼間の地域巡回系統がなくなり、朝の名鉄駅と町内を結ぶ2系統だけとなりました。
保育料は値上げされ、無料だった保育園給食も有料化されました。母子家庭などの医療費助成や遺児手当には所得制限が導入されました。
そがべ氏は「進んだ施策を後退させることは許さない。祖父江地域の声を稲沢市政に届けるために日本共産党の議席が必要」と訴えています。
★平和選挙区(定数4。10減)
旧平和町地域は稲沢市の南の端に位置し、「市の端っこだから取り残されはしないか」との不安があります。
日本共産党は現職の渡辺かずあき(57)氏を擁立します。平和地域でも安倍政権やオール与党市政の悪政とたたかう日本共産党議員は不可欠です。同氏は「旧平和地域から1人は日本共産党議員を」と、防犯灯の地元負担の廃止、閉鎖されたボーリング場のアスベスト対策、生活道路の整備などの政策を訴えています。
各選挙区とも激戦です。