安倍・自公政権の悪政の暴走に厳しい審判―第二十一回参議院選挙の結果について
一、七月二十九日投票の第二十一回参議院選挙の結果は、自民党が改選議席を二十七減らすという大幅な後退をし、公明党も四人の現職議員を落選させるなど安倍・自公政権に対する有権者の厳しい審判が下されたことが大きな特徴でした。このことは、自民、公明の枠組みでは日本の前途はもはや立ち行かないということを、有権者のみなさんが判断したことであり、大きな前向きのプロセスが始まった、新しい時代が始まったといえる結果を示すものとなりました。
この点で自公政治の悪政の暴走を告発した日本共産党の論戦と取り組みは、自公政権を追い込むために積極的な役割を果たしました。日本共産党と八田ひろ子候補の「ストップ貧困、憲法九条を守れ」の訴えや、国の責任で「一人残らず」「急いで」年金不安を解消し、年金給付条件の十年以上への変更、無年金者、低年金者をなくすための「最低保障年金制度」の実現、消費税増税中止、庶民増税反対、子どもの医療費無料化の国の制度化、国保料年一万円引き下げなど緊急福祉一兆円プランの実現、人間らしく働くルールの確立と若者の雇用の拡大、憲法九条を守れ、政治とカネの根本問題である企業・団体献金の禁止、政党助成金の廃止という積極的な提案、「たしかな野党」としての日本共産党の議席の値打ちは、有権者に届いたところでは多くの方々の共感を広げました。この積極的提案、論戦は今後に生きる大きな値打ちをもったものです。
安倍・自公政権は厳しい国民の審判が下ったもとでも「『改革』路線はまちがっていなかった」として、従来の改憲、消費税増税など平和を脅かし、国民いじめの施策を改めようとはしていません。参議院で与野党が逆転したもとで、国民のくらしと平和を守る「たしかな野党」としての日本共産党の役割はますます重要となっています。日本共産党は選挙で掲げた公約を実現するために、八田ひろ子を先頭に、県民のみなさんと力をあわせ、草の根から運動をおこし国政に働きかけていく活動に全力をつくします。
二、日本共産党は、大激戦の今回の選挙で、比例代表選挙で、全国では〇四年、〇一年の得票を上回る四百四十万七千九百三十七票（得票率七・四八％）の得票を維持し、愛知でも二十二万七百三十八票（得票率六・六九％）を得て、井上さとし前参議院議員の再選をかちとることができました。議席では三議席の獲得にとどまりましたが、改選四議席まであと二万千票余のところまで迫りました。
愛知選挙区では、マスコミの大キャンペーンのもと、自公政治への怒りの「受け皿」が民主党とその候補者へ集中し、「民主党への流れ」が無党派層はもちろん、日本共産党の支持層にも一定の影響を与える中で、八田ひろ子元参議院議員が「今度こそ国会へ」という熱い県民の思いにこたえて最後まで追い上げましたが、二十九万三千六百七票（得票率八・八一％）の得票にとどまり、惜敗しました。
「増税反対、憲法九条を守れ」の県民のみなさんの声を国会に届ける愛知選挙区の議席奪還をはたすことができず、比例でも改選議席に届かなかったことは、大変残念な結果でした。わが党の躍進に期待された県民のみなさまに心からお詫びいたします。
日本共産党と候補者に一票を寄せられたすべての有権者に心からお礼を申し上げます。また、猛暑の中、昼夜分かたず奮闘された、すべての支持者のみなさん、「しんぶん赤旗」読者、後援会員、党員のみなさんに心からの敬意と感謝を申し上げます。
三、「自民か、政権交代めざす民主か」という「二大政党づくり」の大キャンペーンが行われ、日本共産党と八田ひろ子を、県民の目から隠すという「反共シフト」がマスコミを中心に徹底的におこなわれたもとで、四中総が指摘した「『どういう流れがつくられようとも』、日本共産党が前進することに執念を燃やし、がんばりぬくという姿勢」にたって、「自ら決めた得票目標を実現するのにふさわしい宣伝・組織活動やりぬいたのか」が問われました。しかし日本共産党の議席の前進、愛知選挙区での議席奪還に結びつけることができませんでした。
今回の選挙で大激戦を勝ちぬけなかった要因は、「二大政党」論の強まりのもとで、自ら風を起こして、比例での日本共産党の議席と選挙区での八田ひろ子議席回復の値打ちと役割を有権者に届けきれなかった党の主体的な力量の不足と、勝ち抜くにふさわしい宣伝や量と質の対話・支持拡大の遅れなどにみられる選挙戦の取り組みの不十分さにあります。
改めて、四中総の立場で総括を深め、どんな流れがつくられようとも、それをはねかえす宣伝・組織活動のできる量、質ともに強大な党をつくるために奮闘するものです。
四、選挙の結果についての総括は、党内外の意見を十分くみ尽くして、次の県委員会総会で行います。選挙の結果から深く教訓を引き出し、草の根から新しい政治をおこす運動を強化します。次の国政選挙は総選挙です。総選挙で、「たしかな野党」である日本共産党が躍進できるように、全力をあげる決意を表明するものです。
以上