一、二十二日投開票が行われたいっせい地方選挙後半戦の市町村議員選挙で、日本共産党は二十市二十一町一村に九十二人の公認・推薦の候補者を立ててたたかいました。この結果、市議選では豊田市が二十四年ぶり、安城市が十二年ぶりに複数議席を確保するなど二十市で四十九人、町村議選では飛島村で議席空白を克服し、豊山町で初めて複数議席を実現するなど二十一町村で三十四人が当選を果たしました(この内、無投票当選が二市町五人)。
今回の後半戦は、押しつけ合併などを理由とした大幅な定数削減(百四十六議席減)や、自治体数そのものが四年前と比べて二十五自治体も減らされる中での選挙となりました。こうしたもとで、選挙戦の前進・後退をはかる最大のモノサシは、議員総数の中で日本共産党が占める比率―議席占有率が前進したか後退したかにあります。四年前の選挙結果と比較して、議席占有率は、市議選では、八・七八%から九・一二%に、町村議選では、七・六四%から九・四四%に前進し、市町村議選の合計では、八・三三%から九・二五%に前進しました。その結果、非改選の市町村議を加えた一般市町村議全体の比較でも、九・〇〇%から九・五二%に前進しました。
議席占有率の前進とともに、後半戦をたたかった自治体の得票は全県的には二〇〇五年の衆議院比例得票を十三・三%増やし、選挙をたたかった六割を超える二十六市町村で前回選挙を上回る得票を勝ちとり、全体で前回選挙の得票を十三・八%増やしています。とくに、定数削減の自治体の中で、議席空白を克服した飛島村、初めて複数議席をかちとった豊山町をはじめ、豊川市、蒲郡市、知多市、高浜市、阿久比町、東浦町(前々回比)、武豊町(前々回比)、美浜町、大口町、蟹江町、幡豆町、吉良町、幸田町、音羽町が前回選挙の得票・率はもとより、衆議院比例得票・率も上回って現有議席を確保したことは重要です。
いっせい地方選挙後半戦は、全体として善戦・健闘し、重要な前進をかちとることができました。この結果は、この選挙が、一般市議選で半数、ほとんどの町村議選で定数削減が行われるとともに、前半戦の流れを受けて、参議院選挙を前にした政党間闘争の激化、「日本共産党締め出し」シフトのもとで、かつてない大激戦のたたかいであっただけに、重要な意義をもつものです。
ご支持をいただいた有権者のみなさん、日本共産党の前進のために昼夜をわかたず奮闘していただいた支持者、後援会員、党員のみなさんに心からお礼を申し上げます。
二、このいっせい地方選挙通じて、日本共産党と候補者は、選挙の真の対決構図が、「オール与党」対日本共産党の対決であることを明らかにし、住民の立場にたった訴えと論戦をおこないました。
前半戦では、「くらし・福祉を守る」「税金のむだづかいをただす」「憲法と平和を守る」の三つを基本に、オール与党への批判・告発と日本共産党のかけがえのない値打ち・役割を訴えました。
後半戦では、市町村議選という、住民に密着した問題が問われる選挙にふさわしく、「子どもの医療費無料制度の拡大」「国保税(料)・介護保険料の引き下げ」「増税に対する負担軽減策の創設・充実」「子育て支援の充実」「三十人学級の実現」「コミュニティバスの充実」「宅配給食の実現」「地域医療の充実」など、福祉・くらしにかかわる住民の切実な要求の実現を訴えました。また、他党、他候補と比べての党議席の値打ち・役割、現在ある、また今回挑戦した複数の党議員団の必要性を住民の立場から明らかにする論戦も重視しました。
これらの訴えと論戦は、届いたところではどの選挙区でも有権者に積極的にうけとめられ、日本共産党と候補者に期待と共感が寄せられました。
同時に、政党間闘争が激烈になった選挙の様相のもとで、自民党は保守票の掘り起こしに必死の取り組みを行い、民主党や公明党が、子どもの医療費の無料化の拡大の請願に反対しながら、自らの公約や実績として訴えるなど、切実な住民要求にこたえるかのポーズをとりました。また、公明党はごまかしのにわか実績とともに、卑劣な反共デマ攻撃を行ってきました。後半戦では、これとあわせて「大丈夫」論による共産党追い落とし攻撃が大規模に行われました。
日本共産党はただちに道理ある批判や反撃を行い、前半戦に続いて、後半戦でも自民党や公明党の得票を前回より後退させました。
日本共産党は、論戦の結果を大いに確信にして、選挙中かかげた公約と住民の切実な要求の実現のために、ただちに全力をあげて奮闘するものです。
三、前半戦に続いて後半戦でも、前進の流れの中で、現職議員を五人落選させ、新旧交代に三人失敗するという重大な失敗があり、その教訓を深めることが必要です。こうした自治体では、当初から危険を指摘されながら現職議席を失ったところも少なくありません。候補者を先頭にした論戦、有権者にたいする宣伝と組織戦の総量を引き上げること、選挙情勢をリアルに分析し、個別の対策をうつこと、そのためにも全支部、全党員・後援会員の総決起をかちとるという前半戦の教訓がどう生かされたのか、やるべきことをやりぬいたのかどうかなどの点についてリアルに検討する必要があります。
もちろん、選挙は四年間の総決算であり、この面では日常の議員活動と支部と一緒になっての要求運動、無党派層との共同、「支部が主役」の党建設の活動などの到達点を全面的に分析し、総括を深めることが必要なことも当然です。
今回のいっせい地方選挙の教訓をしっかりと深めて、今後のたたかいの力にする必要があります。県常任委員会は、地区委員会やそれぞれの選対指導部、候補者のみなさん、支部・後援会のみなさんの意見にもしっかりと耳を傾けて、全面的な総括をすすめていきます。
四、引き続き七月には参議院選挙がたたかわれます。今回のいっせい地方選挙の教訓をしっかりと深めつつ、ただちに目前の参議院選挙において、比例五議席確保、愛知選挙区での八田ひろ子さんの議席の回復をめざして、すべての支部、党員のみなさんの引き続く奮闘と、後援会員、読者・支持者のみなさんの熱いご支援・ご協力を心からお願いいたします。
以上