ニュース

知事選挙をたたかう日本共産党の立場について 2006年12月4日 日本共産党愛知県委員会

 日本共産党と「革新県政の会」は、来年たたかわれる愛知県知事選挙に阿部精六さんを擁立してたたかうことを決定しました。

(1)

 今回の知事選挙は2期8年にわたる「オール与党」(自民・公明・民主)の神田県政に対してきっぱりと審判をくだす選挙です。国政では、5年半続いた小泉政権のもとで「構造改革」によって大企業は空前の儲けをあげる一方で、国民には増税と負担増が押し付けられ、社会的な格差と貧困の広がりはかつてなく深刻になっています。こうしたときこそ、地方自治体が、自治体本来の使命である住民の「福祉の増進をはかる」立場にたって、国の悪政から県民を守る防波堤の役割を果たすことが求められています。しかし、「オール与党」の神田県政は、国の悪政の「共同の執行者」として、国の悪政をそのまま県民に押し付け、「ポスト万博」の名で引き続き、大型開発優先、大企業奉仕、県民犠牲の県政を続けています。いま、「こんな県政を変えて欲しい」という県民のみなさんの声と要求がかつてなく大きくひろがっています。

 こうした県知事選挙をめぐる情勢をふまえて、日本共産党と「革新県政の会」は「県政を変えたい」という県民のみなさんの声と要求を集約して、9月20日の「革新県政の会」の総会で知事選挙の政策を決め、11月9日には、その先頭に立つ候補者として阿部精六さんの擁立を決定しました。

 同時に、犬山市長をつとめた石田芳弘さんが立候補を表明しました。石田氏については、トップダウンの市政運営や「開発型」とも受けとられかねない施策の実施など危惧すべき点はありましたが、少人数学級の実現など教育行政については、私たちも評価できる実績をもち、知事選の公約でも教育改革を打ち出していることなどをふまえて、石田氏との間で協議を行ない、重要な政策で一致できるなら、「共同」の努力をおこなうという立場を明確にし、協議をよびかけてきました。石田氏側も、「革新県政の会」との協議に応じる立場から日程まで確定していました。しかし、再三にわたる民主党と「連合愛知」の側からの「協議にも応じるな」という妨害のなかで、石田氏自身も「私を支援してくれる人たちが議論した一つの結論」(11月27日の豊田市での記者会見)として、これに従いました。

 もともと民主党は2期8年にわたって「オール与党」の一員として神田県政を支えてきました。今回、党本部の“相乗りしない”という方針にもとづいて、急きょ神田現知事を支持しないという立場に変わり、石田氏の推薦に回りました。さらに、日本共産党と「革新県政の会」が、「県政を変えて欲しい」という広範な県民のみなさんの思いを受けて真摯に石田氏との「共同」の努力をおこなっている最中に、この道を妨害するという態度をとったのです。これは民主党の“対決ポーズ”が形だけのものであり、県政の変革を求める県民の願いに背を向ける立場があらためて浮き彫りになりました。

 今回、「共同」は実りませんでしたが、最後まで、「県政の流れを変える」という一点で、「共同」の努力をすすめた日本共産党と「革新県政の会」の立場こそ、県民のみなさんの県政を変えて欲しいという願いに沿ったものであり、多くの県民の方々の共感を得られるものであると確信しています。

(2)

 わたしたちは、以上のような経緯をふまえて、今回の知事選挙を阿部精六候補を先頭にたたかいぬくことを決意しました。「革新県政の会」の「5つの基本政策」―(?多くの国民、県民を苦しめている自公政権による「構造改革」政治の防波堤になって、だれもが人間として大切にされ、人間らしく生きられることに全力をあげる県政です。?長く続く大型開発優先をあらため、福祉、教育の充実や、雇用の安定、くらしの応援に力を入れる県政です。?大企業優先ではなく、中小企業や商工業者、農業、漁業者が元気になる県政です。大都市から山間、海辺の町村まで、どの地域にも光をあて、活性化にとりくむ県政です。?憲法9条の改悪に反対し、郷土の平和を守る県政です。まわりの国々と、そこにくらす人たちとの、友好を大切にする県政です。教育基本法の改悪に反対し、未来を担う子どもたちの健やかな成長に力をつくす県政です。?不正や腐敗、利権あさりを許さない、清潔で、開かれた県政です。県民と積極的に対話をし、ともに進む、県民が主人公の県政です。)の実現をめざして全力をあげます。

 知事選挙は、誰に愛知県政を託すのかを選択する選挙です。

 国政では自公政権による大企業奉仕、国民犠牲の政治と国民生活との矛盾がかつてなく広がっています。先に政府税制調査会は、07年度の「税制」改革の方向をまとめましたが、そのなかでは大企業への更なる法人税減税を実施すること、国民には定率減税の廃止で来年1月から所得税が、6月からは住民税の増税が押し付けられ、それに連動して国民健康保険料や介護保険料も値上げになります。こうした国の悪政と正面から対決して、県民の命とくらしを守る防波堤としての自治体の役割はますます重要になっており、その先頭に立つ県知事は、いわば“身を挺して”県民の命とくらし・福祉を守り抜く勇気と決断が求められます。また、県議会のなかでも、多数を占める自民党・公明党言いなりの人でも、民主党言いなりの人でも県民の願いを実現することはできません。県民の利益第一に、国の悪政に対しても、「オール与党」の県議会ともきっぱりと対決し、堂々とものが言える人が求められています。

 日本共産党と「革新県政の会」が推薦する阿部精六候補は、長年労働運動のリーダーとして、現在は愛労連労働相談センター所長として、労働者と県民の要求実現の活動に心血を注いでとりくんでいる人であり、県民のみなさんの願いを正面から受けとめて県政の改革にとりくめる人です。

 日本共産党は、「革新県政の会」の一員として、県民のみなさんと力を合わせて、県政の改革に全力をあげる決意です。

 日本共産党と広範な保守層・無党派層のみなさんとの共同で新しい県政の流れをつくるためにご一緒に奮闘しようではありませんか。