2006年11月21日 日本共産党愛知県委員会
1、さる11月15日、神田真秋知事は来年の知事選挙にむけてかかげるマニフェストの骨子―「私の約束(骨子)」を記者会見し発表した。
「私の約束(骨子)」は、県政の目標として「愛知の総合力のアップ」をかかげ、県政運営の基本姿勢として「地域の力を結集する」「信頼の絆を強める」「堅実さを大切にする」「清潔で透明性の高い県政をつくる」をのべ、基本政策として「安心」「安全」「人づくり」「産業」「環境」「交流」「地域経営」の7つの柱で展開している。
しかし、この内容は、大企業奉仕・大型開発優先・県民犠牲を貫く「新しい政策の指針」をもとに展開しているものであり、神田氏自身、基本政策の冒頭で「この指針(新しい政策の指針)に位置づけた政策やその方向性を7つの『政策の柱』にまとめ、それに沿って、今後の4年間に、私が特に実行したい具体的な政策をとりまとめる作業をすすめて」いると述べているとおりである。この間の7年半の県民犠牲の県政に反省することなく、大企業奉仕・大型開発優先の県政をすすめようとしている神田氏の姿勢をあらわしている。
2、同時に、この間の県民の神田県政に対する厳しい批判や、革新県政の会をはじめとする多くの市民団体の運動によって、神田氏は県知事選をのりきるために政策の手直しを余儀なくされている。
それが「私の約束(骨子)」の中の「新たな政策」の内容である。神田氏自身、この政策を紹介する文章の冒頭で「『新しい政策の指針』に位置づけた政策を超えて取り組みたいと考えているもの」と述べ、新しい政策の指針にはなかった政策、切り捨ててきた政策をかかげざるをえないことを吐露している。
そして、具体的に提案したのは「3人目以降の乳幼児の保育料を無料に(2歳児保育まで)」「子どもの医療費の無料化を大幅に拡大。(通院は就学前、入院は中学校卒業まで)」「県が指定する医療機関への勤務を条件とした奨学金制度の創設」「通所授産施設の利用者に奨励金支給」「精神障害者の精神科診療の医療費を無料に」「少人数学級(35人学級)を拡充(小学校1年生→小学校1・2年生、中学校1年生)」「新たに非木造住宅の耐震改修を支援」など、県民の子育て、教育、福祉、防災などくらしにかかわる政策である。
これらはいずれも県民が切実に願っている要求であり、革新県政の会などが長年にわたって運動してきたものである。
3、しかし、先にも述べたように、神田氏の県政に対する基本姿勢は全くかわっていない。神田氏は、「なぜ、今まで県民の要求を実現できていないのか」、「これから県民のくらしにかかわる要求を実現するために県政をどう変えるか」には口をつぐみ、政策をすすめる財源については、県職員を削減し県民サービスを低下させる「あいち行革大綱2005」の「目標を前倒しして達成する」と強調しているのみである。
日本共産党は、神田氏が知事選挙前にして掲げざるをえなくなった県民のくらしにかかわる政策を、選挙待ちにせずただちに実行することを、県民とともに神田「オール与党」県政に求めていくとともに、県民の願いにこたえる県政に切りかえるには、革新県政の会の知事選の基本政策の実現しかないことを明らかにして、県政の流れを切りかえるために全力をあげるものである。
以上