1月14日「愛知民報」
「自立心阻害」
愛知県知事選をめぐる「マニフェスト型公開討論会」で、民主党推せんの知事予定候補・石田芳弘氏が「際限のない拡大は子どもの自立心を阻害する」(『中日』12月25日付)とこども医療費無料化の拡大に否定的な発言をしたことに失望と憤りの声があがっています。
主張に根拠なし
愛知県の乳幼児医療費無料制度は市町村にたいし4歳未満児まで半額補助するもの。市町村のほとんどは県の補助年齢を超えて無料化を実施しています。飛島村をはじめ中学卒業までの無料化を実施する市町村も増えています。
無料化拡大が「こどもの自立心」を阻害する要因になっていることを証明するデータはありません。
遅れた犬山市
石田氏が市長を務めた犬山市では、こどもの医療費無料化の拡大は遅れ、市民や日本共産党の運動に押され、昨年10月、ようやく小学校入学前まで無料化されたところ。市長の消極姿勢がブレーキになったと見られます。
県議会の民主党も無料化拡大に消極的でした。新日本婦人の会が県議会に提出しようとした小学就学前への無料化拡大を求める請願の紹介を拒否しています。
無料打ち切りねらった神田氏
自民・公明両党が推す現職の神田真秋氏は、通院は小学入学前、入院は中学卒業まで無料化するとしています。
とはいえ、神田氏はマニフェスト討論会で、「同じ考え」と石田氏の自立論に同意。「じつは市町村がものすごく望んでいるし、市町村もかなりやっている」と弁解しています。県民要求に押され、市町村の後追いという消極性が目につきます。
神田知事は2000年度県予算で、乳幼児、障害者、母子・父子家庭の医療費無料化を廃止し、一部負担金制度(1割負担)の導入をはかりました。これには、知事与党の自民、民主、公明各党が賛成しました。
無料制度廃止の大改悪にたいし、当時の日本共産党県議団、革新県政の会、市町村、医師会が強く反発。行き詰まった神田県政は一部負担実施の中止に追い込まれました。
神田知事は「一部負担金制度につきましては、平成13年度以降は当面実施を見合わせてまいりたい」(2000年12月定例県議会)と、一部負担金制度にこだわる答弁をしています。
子育て要求にこたえるあべ氏
通院・入院とも中学卒業までの無料化を公約しているのは、日本共産党推せんのあべ精六氏です。
愛知県の乳児医療費無料制度は1973年度に市町村に対する補助制度として1歳未満を対象に発足しました。
県補助が呼び水となり、今日、全市町村が実施しています。しかし、市町村の内容は、県補助対象の4歳未満から中学卒業までばらばら。
県が通院・入院とも中学卒業まで無料化にすれば、市町村の制度がレベルアップの方向で足並みがそろうことになります。県民が期待するところです。