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【06.08.27】「生活苦しくなった」65% 増税・社会保障負担増が、弱者直撃 日本共産党名古屋市議団 アンケート回答3000通超す

8月27日「愛知民報」

 日本共産党名古屋市議団(村瀬たつじ団長)が7月から全世帯を対象に取り組んでいる市政アンケートの回答が続々と届き、8月21日現在3158通にのぼりました。回答には小泉自公政権が進めてきた「構造改革路線」による増税や福祉・医療の切り捨てに苦しむ市民の怒りの声が、噴出しています。

福祉・介護・医療 関心のトップ

 「市政について関心のあること」(複数回答)という項目では、「高齢者福祉・介護保険」36・8%、「年金」35・7%、「医療・健康保険」35・0%と、医療・福祉の改善を求める声が多数をしめます。

 改善してほしいこととして「税金」34・1%、「ムダな公共事業」30・3%、「政務調査費・費用弁償」25・7%と、答えています。

くずれる社会保障

 「1年前に比べあなたの生活はどうですか」という質問には、29・8%が「かなり苦しくなった」、34・8%が「少し苦しくなった」と答え、あわせて65%が生活苦を訴えています。苦しくなった理由は、「健保・年金」32・9%、「税金」31・1%、「介護保険料」25・9%、「医療費」23・2%と続きます。「少し良くなった」人は2・2%、「良くなった」人は0・5%です。

高齢者課税強化に悲鳴

 自由記載欄には多くの人がびっしりと具体的に状況を書き、怒りと不安の声を寄せています。

 「所得税ゼロから8万円、住民税13000円から52000円、国保料年間88000円から132000円に値上げ、介護保険料も夫婦で年間2万円くらいアップ。余りにも急激な負担増に唖然とします」(中区・77歳男性)

 「健康保険料の値上げ、窓口負担の増加で、年金生活者は病気になっても医者にもかかれない」(千種区・60歳代)

 「厚生年金障害者年金受給者です。昨年12月より年金のみでは生活できないので生活保護受給者になりました。今年4月から生活保護基準の見直しで、受給額が下がりました。1日3度の食事ができません。『生かさず殺さず』はやめてください」(西区・71歳男性)

 「年金生活者ですが税金・健康保険・介護保険を払うと生活できなくなります。ましてこれから消費税が15%になれば死ぬしかありません」(中村区・65歳男性)

 「地域に若い人が少ない。娘のカップルはアルバイトの仕事はあるが就職難。年寄りと若い人がともに将来に希望が持てる政策がほしい」(緑区・60歳代)

日本共産党に期待の声

 「共産党のチラシを駅などでもらいますが、内容に驚かされることが多い。立場の弱い人の予算を削ってまでの市政を改善できるように共産党に期待します」(西区37歳)

 「貴重な一票をどこに入れるのか。特にないので共産党に入れます。なぜか。戦争中でさえ戦争反対を貫いたから」(中区・40歳代女性)

 「人生の終末にきて、今後ますます生活苦になっていくのはたまらない。テレビでの国会討論でも共産党の発言はもっとも賛同できる。今後とも弱者のためにがんばっていただきたい」(東区・79歳男性)

 「このように個人の市民の意見を拾ってくださってとてもありがたいです。市民の声をぜひ市政に反映させてください」(千種区・39歳女性)。

 こうした日本共産党への期待の声も多く寄せられています

名城本丸御殿の復元 大多数が批判的回答

 名古屋市の松原市政は、名古屋城「本丸御殿の復元」に力をいれ、名古屋城の開城400年の2010年に玄関の一部完成をめざしています。建設費は150億円。うち50億円を市民からの寄付でまかなう予定ですが、現在、約6億円しか集っていません。市はムードの盛り上げ、寄付獲得のため大キャンペーンを予定しています。

 日本共産党名古屋市議団の市政アンケート回答では、名古屋城本丸御殿の復元について、「福祉やくらしの予算を削ってまで推進しない」54・9%、「復元には反対」21・4%。「市民の声を聞く」31・6%、「市の財政事情に応じ、ゆっくりすすめる」22・9%と圧倒的多数が批判的あるいは慎重な立場をとっています。「優先して推進する」という回答は3・5%にすぎません。

 日本共産党名古屋市議団は「松原武久市長は市財政が厳しいとして、市民への負担増や市民サービスの切り下げをすすめてきました。その一方で本丸御殿の復元への出費が優先されるのは問題ではないでしょうか。文化財的価値の論議を含め市民の意見を求めることが必要であり、現時点では時期尚早です」の見解を発表しています。

【名古屋城本丸御殿】

 約400年前に尾張初代藩主・徳川義直の住居と政務の場として建造。日本を代表する書院造りの建物として国宝に指定されたが、1945年5月14日、米軍の空襲で天守閣とともに焼失。現在は天守閣南東に礎石が残っている。

弱者支援の政治を 前市議 江上ひろゆき

 日本共産党の市議らは、ぎっしりかかれた市政アンケートの回答に目を通し、一軒一軒訪問し、生の声を聞き、要望実現の活動をすすめています。

 江上ひろゆき前市議は20日、党支部の党員とともにアンケートに「自民・公明党政権では弱者だけに痛みを押し付けて、大企業を優遇している。早く弱者に暮らしやすい日本を作ってください」と書いた平野正さん(62)を訪問しました。

 平野さんは「一生懸命働いてきても、年金は11万円。末端の人だけが苦しむ社会はおかしい。今の政治を変えなければいかん。公明党もやっていることは自民と一緒。このままでいったら国民が生活できなくなる」と思いのたけを一気に語りました。

 中川区では14日までに155通の回答が届いています。これまでに江上さんが訪問し対話したのは16人。ほとんどの人が日本共産党と話をするのは初めて。

 江上さんは「今回のアンケートでは若い人からの回答が多いのが特徴です。母子家庭の人が子どもが中学生になって出費が多くなり、とても暮らしていくことができないといい、42歳の男性はチラシ配りの仕事で月7万円しか収入がなく、親に援助してもらっていると言っていました。小泉『構造改革』への怒りが沸騰し、日本共産党への期待を実感します」と語っています。