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【06.02.19】改悪介護保険対策 県は弱者支援を 日本共産党前愛知県議 林のぶとし

2月19日「愛知民報」

 2006年度の愛知県予算案に反映させようと、愛知県社会福祉推進協議会、全日本年金者組合愛知県本部、愛知介護の会のみなさんが介護サービスの拡充を求め、関係当局と話し合いをおこないました。私は同席する機会を得ました。

 小泉「構造改革」路線のもとで県内でも「格差と貧困」が広がるなか、地方自治体である愛知県には弱者支援が求められています。しかし、その席で、神田県政が見せたのは、万博の積極姿勢とは対照的な消極姿勢でした。

問われる目線

 介護保険改悪で介護施設利用者の居住費・食費が全額自己負担となり、保険料大幅値上げも予想されます。経済負担の重さから介護サービスの利用抑制が心配されます。

 各団体のみなさんは、県にたいし低所得者の保険料・利用料の減免措置を求めました。県は、国にたいし「低所得者対策の拡充」を要望するものの、県独自の負担軽減措置や市町村にそれを推奨することは拒否しました。

 その際、県当局は居住費・食費の全額自己負担化は「在宅と施設との負担の公平性」という観点からおこなわれたもので、県の独自減免は「理解を得るのがむつかしい」と説明しました。

 私は「しからば、施設利用者の負担増を求める声が在宅サービス利用者から県に寄せられているのか、誰の『理解』なのか」と質問しました。当局側は、そのような声は来ておらず、「財政当局と県議会の理解」と答えました。私は「どこを向いて福祉をやっているのか、県民に目を向けるべきだ」と強く批判しました。

 年明けの愛知介護の会との話し合いで、当局側は施設利用者の負担実態の把握に努めると約束しました。

一律に見直ししない

 介護保険の新予防給付の実施にともない、現行の要支援・要介護1の軽度者にたいする家事援助サービスの縮小が問題になりました。当局は「従来のサービスが軽度の方の状態の改善・悪化防止に必ずしもつながっていない」として、「現行水準の給付維持」の要望を拒否しました。

 これにたいし団体側は「国会でも議論になったが、ヘルパーが来ているから介護度が重くなったケースはない」と反論。当局側は「一律に既存サービスを見直すようなことはしない」と答えました。

広域自治体に目配り

 新介護保険法は、地域ごとに「地域包括支援センター」を設け、介護予防サービスを提供するとしています。団体側は、厚生労働省は「人口2万~3万人に1カ所」という基準を示しており、サービスが行き届くように少なくとも中学校区単位に設置するよう県に求めました。

 これにたいし県側は「市町村が実情に応じて設置し中学校区一律には考えない」と答え、市町村合併で超広域化した新豊田市に設置される同センターの機能を検証すると約束しました。

県政改革を

 当局が「県議会の理解を得るのはむつかしい」と答えたことに、私はショックといきどおりを覚えました。議会が弱者支援の障害の一つになっているということです。

 関係団体のご奮闘に敬意を表しつつ、県政改革のカギは日本共産党の議席回復で県議会のオール与党体制をくずすことにあると痛感し、議席回復の決意を新たにしました。