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【06.02.12】県営名古屋空港 基地機能強化・米軍機利用 地元市町 反対の声あげる

2月12日「愛知民報」

日本共産党 内藤富江市議の質問で動く

 県営名古屋空港の地元、春日井市(鵜飼一郎市長)、小牧市(中野直輝市長)、豊山町(鈴木幸育町長)の3自治体が共同で1月17日、防衛庁と防衛施設庁にたいし小牧基地の業務変更の事前協議や米軍機が県営名古屋空港を使用しないよう求める要望書を提出しました。申し入れの契機となった日本共産党の内藤富江春日井市議会議員の12月議会での質問(要旨)を紹介します。

後方支援の要に

 在日米軍の再編により自衛隊と米軍との一体化、海外派兵体制が強化されつつある中、来年度から小牧基地に空中給油機が配備されます。

 当局は配備自体は基地機能強化に当たらないという見解を出しているが、空中給油機は戦闘機の航続時間と航続距離を延長し、海外での長距離展開を可能にし、アメリカの地球規模での先制攻撃戦略の実行に不可欠なものであり、明らかに輸送部隊とは区別される新たな侵略的機能を有しています。

 また、防衛新大綱では、C130H輸送機にヘリ用の空中給油機能を附加しようとしており、今後、正面装備と前線基地の強化に伴い、小牧基地は後方支援のかなめになることは明らかです。

軍用ヘリの危険性

 昨年8月31日に沖縄国際大学のキャンパスに墜落した米軍ヘリCH53Dには回転翼のひび割れを感知する安全装置に劣化ウランより放射線量がはるかに多いストロンチウム90が使用されていました。プロペラについていた未回収の1個は機体炎上の際、気化した可能性が高いという説明です。

 同型機のME53Eが海上自衛隊岩国基地に10機配備されており、定期点検などで県営名古屋空港に隣接する三菱重工へ飛来しています。このヘリは1995年6月にも相模湾に墜落しており、名古屋空港周辺で万が一事故が起きた場合、2次災害を防止する方策は前もって明らかにされなければなりません。

米軍利用に声を挙げよ

 空中給油機の配備は4機になり、部隊が新設されるといわれています。これが事実だとすれば、明らかに質的な変化です。

 私は、市民の方たちと、県営名古屋空港になる前と県営名古屋空港開港後の自衛隊の空港利用度を定期的に調査しています。

 滑走路上に縦列に並んだ2機の130H輸送機が15秒から20秒間隔で連続離陸する継続飛行が9月の3日間の調査で4回。また、C130H輸送機が急旋回をして滑走路に進入してタッチ・アンド・ゴーを行う訓練や、T1B練習機2機が滑走路上に並んで同時離陸する開港前にはなかった実戦さながらの訓練も行われています。

 回転翼の安全装置に放射能物質ストロンチウムが使用されている米軍ヘリは、4月に小牧基地に着陸しています。基地強化をさせないという立場の市長、態度を表明してください。

春日井市長「要望していきたい」

 鵜飼一郎市長は答弁で「中部空港ができ一元化した際に、防衛庁に対して現在の航空自衛隊小牧基地の機能を強化してはならないと要請し、文書で『しない』という確認を得ています。現在、小牧基地の自衛隊は支援活動の部隊であることを今後も保持していくこと。基地の位置づけ、性格などを変更し、戦闘的な行動や活動をするような体制が編成されることは、基地の拡充強化につながるものと、理解し、場合によっては防衛庁に対して的確な時期等を定めながら基地拡充となされないように要望していくのも基地対策」と答えました。

【3自治体の要望書】

 小牧基地周辺の春日井市、小牧市、豊山町では、最近における在日米軍と自衛隊再編の協議、イラク派遣の延長、新たな自衛隊機の配備と部隊の新設などにより、小牧基地の位置付け、機能が変わるのではないかと住民が不安を抱いております。

 小牧基地の整備と運用については、かねてから基地周辺市町の立場と周辺住民の思いを十分理解され、実施されるようお願いしてきたところでありますが、最近における状況を踏まえ、改めて左記の意見を尊重のうえ実施されるよう要望します。

                    記

一、小牧基地については、航空自衛隊の編成に基づく航空支援集団及び航空教育集団として行う、航空輸送及び航空教育を中心とする現行の業務を変えないようにされたい。

一、現行の業務を行うためであっても、小牧基地への新たな自衛隊機の配備や改造、部隊の新設などを行う場合は、周辺市町と事前に十分協議をされたい。

一、県営名古屋飛行場において、他基地所属の自衛隊機による定期的業務以外による利用及び米軍機の利用などがないようにされたい。

一、基地周辺住民の民生安定及び良好な住環境の確保を図る観点から、特定防衛施設周辺整備調整交付金の増額など基地周辺対策を充実されたい。