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【06.01.22】航空自衛隊小牧基地 海外侵攻へ機能強化 国際問題研究者 新原昭治氏が指摘

1月22日「愛知民報」

 8日、名古屋市東区の愛知民主会館で開かれた「反核・平和新春のつどい」で講演した国際問題研究者の新原昭治さんは小牧基地強化の危険な動きについて次のように指摘しました。

 愛知県内の自衛隊が米軍再編でどうなるか。航空自衛隊小牧基地を中心に3つの重要な動きと計画についてのべます。

C130Hイラク残留

 小牧基地所属の3機のC130H輸送機がクウェートに常駐しイラク南部の米軍への軍事物資輸送に従事しています。最近、米軍は陸上自衛隊が撤退したあともC130H輸送機はイラクに残ってくれ、残るだけでなく活動を強化してほしいといっています。

 読売新聞は昨年、米軍はC130H輸送機の活動をイラク南部の限られた地域からもっと広範囲の地域で活動するよう要望していると報道しました。クウェートの通信社は東京発で、米軍は首都バクダットやバラードという治安の悪い地域へ、軍事物資や兵員の空輸を要求していると送信しています。

 防衛庁関係者は「安全が保てるならやってもいい」とマスコミに語っています。自衛隊を米軍とともに海外で武力を使う方向にずるずると引き込む動きが進行しています。

空中給油機“攻撃する軍隊”

 2つめは空中給油機の配備の問題です。空中給油機配備は、自衛隊が米軍に協力して海外侵攻をする拠点に小牧基地がなることを意味します。

 「空中給油機配備は基地機能強化につながらない」の声があります。しかし空中給油機の機能、目的や配備のねらいを見れば基地機能強化は明らかです。戦争拡大のため空中給油機が必要なことは軍事専門家の常識です。航空隊は空中給油機を持たなければ渡洋攻撃、遠距離攻撃はできない。空中給油機をもたなければ攻撃する軍隊にならないのです。

 空中給油機の歴史を見れば明確です。米軍は第二次世界大戦で空中給油機を開発しました。ハワイなどから発進したB29爆撃機に空中給油機で燃料補給して日本本土を爆撃する計画でした。太平洋の島々や沖縄を占領し、そこからB29が発進したので、結局、空中給油機は使用されませんでした。

 空中給油機が大活躍したのはベトナム侵略戦争でした。グアムの米軍基地を飛び立ったB52が、沖縄の米軍基地からきた空中給油機から燃料補給を受け、ベトナム全土を爆撃したのです。

 現在では大型爆撃機だけでなく小型の戦闘機や偵察機にも給油できるようになっています。

新型輸送機、機動衛生隊

 3番目に、今後に計画されている問題が2つあります。一つは次期輸送機CXの製造計画です。C130H輸送機より航続距離が長く遠くまで飛べる輸送機の製造です。

 C130H輸送機はクウェートに行く時に、タイやインドネシアに下りて地上で給油を受け、4日から5日かかってクウェートへ行った。憲法の規定などがあって遠くへ飛べる輸送機は想定していなかった。現在、自衛隊は遠くまで飛べる次期輸送機CXの製造を研究しています。CXが完成すれば日本から中東に楽にいけます。

 もう一つはC130H輸送機に医療機材や医療スタッフを乗せる「機動衛生隊」の創設です。自衛隊は国内での災害救助が目的というでしょう。しかし、海外で負傷した自衛隊員や米兵の対応にあたるのは明白です。