1月22日「愛知民報」
昨年12月に、愛知県は野菜生産振興方針を策定しました。
愛知は恵まれた立地や自然条件の中で、野菜は農業算出額の約3分の1を占める基幹作物です。
この生産を担っている農家の内、65歳以下の若手農業専従者がいる農家は約半数しかなく、今後の生産力の低下が懸念されています。
一方で野菜の消費量の減少が背景にあり、5年後を目標年度として消費拡大の対策、野菜生産の振興策が方針の主な内容です。
愛知県で作付面積、出荷量、産出額のどれをとっても全国順位が1~5位に入っている野菜は、1位のキャベツ(全国出荷量の17%弱)、大葉(全国生産の6割)を筆頭に、ふき、みつば、れんこん、たまねぎ、トマト、はくさい、カリフラワー、さやえんどう、セロリ、チンゲンサイ、ブロッコリー、温室メロン。10位までにいちご、すいか、露地メロン、にんじん、かんしょ、さといも、スイートコーン。作付け面積を除いて出荷量・産出額では10位以内のなすなど、技術力が高く生産は多岐にわたっています。
一方で、たまねぎ、ねぎ、にんじんなどの生鮮野菜や、ほうれんそうなどの冷凍野菜の輸入が増えています。
愛知県は2004年度に、県内農産物直売所で野菜の消費アンケートを実施。318名の回答では野菜を購入する際気をつける点は、鮮度(87・4%)、価格(45・6%)、国産・外国産の別(31・4%)、安全性(28・0%)でした。野菜の摂取量は充分と言う人は1割強で、3割近い人があまりかほとんど摂れていないと答えていて、野菜の摂取量は不足の状態。一日350グラム以上の野菜摂取必要量の認知度も低い状況です。
野菜の消費拡大に向けた取り組みを強め、生産の担い手に、新規就農を促進するとともに、定年退職者を新規就農に引き入れることも視野に取り組んでいます。
豊田市は定年退職者の生きがいづくりと遊休農地の解消を結びつけたり、名古屋市では援農意欲のある市民を農業ボランティアとして育成する講座の開催などに取り組んでいます。