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【06.01.22】生活保護世帯・就学援助受給者急増 社会的格差広がる 名古屋市

1月22日「愛知民報」

 先ごろ開かれた日本共産党第24回大会は、生活保護世帯、教育扶助・就学援助を受けている児童・生徒の急増などをあげ、貧困と社会的格差の広がりを告発しました。名古屋市ではバブル経済が崩壊した1990年代後半以後、生活保護受給世帯、就学援助を受けている児童・生徒数が急増しています。

高齢者、母子世帯で保護が増加

 名古屋市によると生活保護の被保護世帯数は1984年度からバブル経済期の1991年度までは減少していましたがバブル経済が崩壊した1992年度以後は増加し1998年度からは急増しています。

 被保護世帯数が増加に転じた1992年度は被保護世帯が9899世帯、1995年度が1万350世帯、1998年度に1万1390世帯、2004年度には2万60世帯と10年間で被保護世帯は倍増しています。

 最近の名古屋市の被保護世帯の特徴として高齢者世帯(男65歳以上、女60歳以上の者のみか、これに18歳未満の者が加わって構成されている世帯)が急増していることがあげられます。

 高齢者世帯の被保護世帯全体に占める割合が1987年度は35・3%でしたが2004年度は45・7%にも達しています。今後、高齢化社会が進み、小泉内閣が進める年金改悪により、さらに高齢者世帯の比率が高まると予測されます。

 母子世帯(母親と18歳未満の子どものみで構成されている世帯)の被保護世帯も増加傾向にあります。被保護世帯が母子世帯になった要因は、以前は夫の死去が大半でした。現在は生別(離婚)がほとんどとなっています。母親が育児のため十分に働けない、離婚した夫からの十分な養育費が履行されないなどの理由から生活保護の受給が増えています。名古屋市内では1988年度以後、離婚率が上昇していることから母子家庭の生活保護受給の増加も予測されます。

受給期間が長期化

 失業などにより生活が困難になり生活保護を受給する世帯が1998年度から増えています。2004年度には母子世帯を超えています。受給期間の長期化も最近の特徴です。1990年代前半までは就労によって受給をやめる受給期間が短い世帯が多くありました。最近は、経済状況や高齢化の影響で受給期間が長期化しています。

就学援助も倍増

 名古屋市では経済的理由で学用品や給食費、修学旅行費などの援助を受ける児童・生徒数が2005年度までの10年間で6割以上も増えています。

 小学校では1995年度の就学援助受給者は1万331人、全児童数に対する受給割合が7・8%でしたが、2005年度は1万7158人、14・5%となっています。中学校では1995年度の受給数が5206人、全生徒数に対する受給割合が8・1%、2005年度が8402人、16・1%となりました。児童・生徒数の減少もあり全児童・生徒に占める割合は10年間に2倍になりました。