1月15日「愛知民報」
愛知県関連の2006年度政府予算案について日本共産党の八田ひろ子前参院議員の談話を紹介します。
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第一に、徳山ダムに約249億円、設楽ダムに18億5000万円が予算案に盛り込まれました。私は、この二つのダムについて繰り返し現地視察や調査・研究を行い、国会でも取り上げてきました。本当に無駄づかいの典型です。
徳山ダムを含む愛知の開発水量にたいし最大取水量(実績)は水道用水で6割程度、工業用水で4割程度にとどまっています。愛知県も近い将来人口が減少に向かうことが予想され、今以上に水が必要とは考えられません。
実際、木曽川水系に続いて、豊川水系のフルプランも2025年の水需要予測を下方修正しました。
にもかかわらず、徳山ダムの導水路建設(総額700億円~900億円)調査費や環境破壊の設楽ダム建設促進費用が盛り込まれているのです。ゼネコンの利益のために税金を無駄遣いすることは許せません。
第二に、東京・大阪・名古屋の3大都市圏の環状道路の整備費に計2750億円の予算が盛り込まれました。県内の高規格道路整備率は異常に高いものがあります。
道路建設の見直しが全国的に叫ばれている中、第2東名の愛知県内部分である伊勢湾岸道路は豊田から四日市まで開通になりました。県民からは「トヨタ自動車のためのトヨタ道路」とも呼ばれています。
その一方で、住民の安全のための歩道の整備など地方の生活道路整備は一向にすすみません。
第三に「ポスト万博・空港」と名づけて、外国企業の誘致を促進する都市再生事業や国際競争力を高めるためと称し「スーパー中枢港湾」として名古屋港を整備する予算が盛り込まれています。
これらの予算は、史上最大の利益をあげているトヨタ自動車をはじめ大企業に奉仕し、くらしや社会保障など国民生活にしわ寄せする予算にほかなりません。
愛知県は製造品出荷高が昨年度までで日本一を29年連続しています。その一方で、高校進学率を全国最低水準に抑えるなど県民のくらしに冷たい政治が行われています。
私は、ムダに真剣にメスを入れ、利益を上げている大企業・大資本家に応分の負担を求めて、財政再建し、国民生活を応援して、子どもや若者、高齢者などが希望のもてる予算にするように、県民のみなさんと力をあわせて運動していきます。