12月24日「しんぶん赤旗」
“空のタンカー”といわれる空中輸送機が来年度にも、航空自衛隊小牧基地(小牧市)に配備されようとしています。すでにイラク派兵の出撃拠点と化している小牧基地は、どう変わるのか。前愛知県議の林信敏さんに聞きました。
小牧基地はこれまでの「専守防衛」や国連平和維持活動の枠を超え、世界中で行動する米軍と自衛隊の戦闘部隊を支援する空輸部隊の拠点基地に変ぼうしつつあります。
日本共産党第24回大会決議案は「『日米同盟』の侵略的変質のもとでの基地強化のたたかいは、重大な局面をむかえている」と指摘し、基地強化の1つとして愛知を挙げています。
2006年度から小牧基地に配備が計画されている空中給油機とは、飛行中の戦闘機に給油する大型輸送機です。空中給油で戦闘機の海外作戦能力が飛躍的に高まります。アメリカにとっては、地球規模での先制攻撃戦略に不可欠の軍用機です。
航空自衛隊は、ボーイング社のKC767J空中給油機を当面4機購入。小牧基地に来年度、その1機目と、新部隊が配置される予定です。
米日の軍事一体化進めば
日米両政府が10月に合意した在日米軍再編の「中間報告」の中で、「二国間の安全保障・防衛協力において向上すべき活動の例」として、「補給、整備、輸送といった相互の後方支援活動」を挙げています。
すでにイラクに派遣されている小牧基地のC130輸送機は「米軍の“足”」に使われています。こうした支援活動の強化を強めようとしています。
米軍は前線に配備している空中給油部隊を3分の1程度削減する計画を進める一方、日本など同盟国に空中給油を肩代わりさせようとしています。今後、米日の軍事一体化がすすめば、空中給油活動でも小牧基地は米軍と自衛隊の海外共同作戦の支援拠点基地にされることが予想されます。
現有のC130輸送機にヘリ用の空中給油機能を付け加える計画があります。給油を受けるのはUH60J救難ヘリです。救難部隊の海外出撃も視野に入れているとみられます。
地元自治体は声あげるべき
地元住民や自治体は「基地機能強化」反対です。小牧基地を抱える小牧、春日井、豊山2市1町は当初、小牧基地への空中給油機配備に難色を示していました。ところが、自民党政府の強い圧力のもとで「空中給油機の配備は基地機能の強化にはつながらない。輸送機能のの範疇(はんちゅう)に含まれる」として受け入れ容認に転換しました。
しかし、給油機の配備は、良質ともに基地機能の侵略的強化です。小牧基地は、県営名古屋空港の滑走路を使っています。県の責任は重大です。県と市町は「空中給油機配備・基地強化反対」の声を上げるべきです。
今年秋の小牧基地航空祭では、地元住民、自治体、平和団体がブルーインパルスの展示飛行に反対の声を上げ断念させました。憲法改悪に反対し、九条を生かし、平和な空港利用を求める運動が大事になっています。