12月23日「しんぶん赤旗」
日本共産党の八田ひろ子前参議院議員は16日、愛知県環境調査センターを訪れ、近藤徳雄同センター所長、加藤正博同センター次長、田村栄一同センター研究監などに愛知県のアスベストに関する調査・研究の体制を中心に聞き取り調査を行いました。
同センターは、1960~70年代に問題となった公害問題に対応するため設置され、現在は公害問題だけでなく環境問題全般の調査・研究を行っています。
近藤所長は、大気、水質、騒音、振動、産業廃棄物、ダイオキシン類、酸性雨などの調査・研究を運営費約1億2000万円、事業費約1億円の予算で60名の職員で行っていることなどセンターの現状を述べました。
アスベストの調査・研究に関して、愛知県は、特別な予算は組んでおらず、部内で苦労して捻出(ねんしゅつ)している実態も明らかになりました。大気中のアスベストを検出するための位相差顕微鏡は1台しかなく、より精密な検査ができる電子顕微鏡はありませんでした。
建材中に含まれるアスベストを検査するための機器ももっていないことやこれらの機器を今後も購入する予定がないことも明らかになりました。集中する検査依頼の多さに対応できず、これらの機器をもっている民間調査会社に委託もしている実態も明らかになりました。
八田前議員は、「少ない予算と機器、人減らしの中での苦労がしのばれます。大切な仕事をしているセンターが、県民の期待に応えるためには、どうしても職員と予算の拡充が必要です。『環境先進県』と言うなら、ここに取り組むべきです」と語りました。