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【05.10.23】フェロシルトの完全撤去を 
日本共産党愛知県委員会が知事に申し入れ

 

★放射性物質を含む埋め戻し材「フェロシルト」が各地で問題になっています。
 「愛知民報」6月19日号に掲載された記事を紹介します。


 放射性物質をふくむ埋め戻し材「フェロシルト」(商品名)の完全撤去を求める動きが愛知県内でも広がっています。
フェロシルトは、化学メーカー石原産業が塗料の白色顔料になる酸化チタンの製造過程ででる汚泥を加工してつくったリサイクル土。三重県がリサイクル品に認定し、これまでに三重県、岐阜県、愛知県で土地造成に使われています。

 日本共産党愛知県委員会と同瀬戸市議団は6月16日、愛知県知事に県内に持ち込まれたフェロシルトの完全撤去を求める申し入れをおこないました。
その際、県当局は、瀬戸市幡中町地内の約14万トン北丘町の約12万5200トンほか、同市広之田町、旧藤岡町(現豊田市)でも使用されていることを認めました。
瀬戸市幡中町。デジタルタワー建設地の埋め戻しに使用されました。近くには中学校があります。日本共産党の三宅訓子瀬戸市議は、フェロシルトが露呈した場合、飛散するおそれを指摘します。

 同市北丘町。産廃業者が砂利採取跡地に約12万5200トンのフェロシルトをむき出しのまま積み上げました。酸化鉄をふくんだフェロシルトが流出。沢に「赤い水」が流れたこともありました。環境グループや住民の要求で、露出部分は撤去されたものの、まだ10万トン近いフェロシルトが埋められています。

 同市広之田町。フェロシルトを扱う業者が「フェロシルトと使ってケナフを栽培すれば、老後の生活に役立つ」といい、その民家の所有地に穴を掘り、10トントラック160台分のフェロシルトを埋めたといいます。民家の人たちは不安で撤去を求めています。

 岐阜県は埋立てに使われたフェロシルトから基準を超える六価クロムやフッ素が出ています。
瀬戸市の産廃問題に取り組んでいる水野すみ子瀬戸市市議は「フェロシルトの使用量は約45万トン。しかし、これまでの生産量は約20万トンと見られます。『フェロシルト』と言うけれど、現場では産廃のアイアンクレーが混入されているのではないか」と疑問をだします。愛知県は、県内のフェロシルトが使用された土壌検査に乗り出す構えです。

 メーカーの石原産業は愛知県にたいし「地権者と協議し自主回収を含めた措置」をとりたいと通知してきたそうです。これにたいし、全量撤去を求める声が急速に広がっています。

共産党県委が知事に申し入れ(全文)

2005年6月16日
愛知県知事
 神 田  真 秋 様

日本共産党愛知県委員会   
委員長 岩 中  正 己
日本共産党瀬戸市議会議員団
団長  原 田    学


愛知県内の放射性物質を含む「フェロシルト」の
徹底調査と撤去を求める申し入れ

 化学メーカー・石原産業が製造販売している放射性物質を含む埋め戻し材「フェロシルト」が問題となっています。フェロシルトは、酸化チタンの製造過程で発生する汚泥を加工した「リサイクル土」であって、原料鉱石に起因する放射線を発します。
 これまでに判明したところによれば、愛知県内では瀬戸市幡中町地内で約14万トン、同市北丘町地内で約12万5200トンが大量使用されています。これらのほか、瀬戸市内の一般住宅の敷地内にも埋められているといわれます。
 北丘町の場合、大量に野積みされたフェロシルトが谷川に流出しました。県の指導で、露出分は除去され、覆土処理されたと聞きますが、今後の崩壊、流出、飛散が懸念され、住民は強い不安をおぼえています。
 石原産業は8日、岐阜県内で使用されたフェロシルトについて同県にたいし自主撤去を申し出たとのことです。同社はつづく12日におこなわれた岐阜県可児市大森地区での住民説明会で、愛知、三重の埋設地についても「当局及び地権者との協議のうえで自主回収を含む措置をとる」と表明したと伝えられます。
 また、同社は6日、三重県にたいしリサイクル品認定の申請取り下げを申し入れ、同県は認定取り消しを「検討中」と報じられています。
 つきましては、住民の不安を解消し良好な生活環境を確保するため、下記の事項を実施されるよう申し入れます。


(1)フェロシルトを使用しないよう関係業界に周知すること。
(2)本県内で使用されたフェロシルトについて放射線や有害物質の分析、大気・土壌・地下水、公共用水域の水質・底質など環境への影響調査をおこない、その結果を公表すること。
(3)使用されているフェロシルトは、メーカーの責任で、完全に撤去するよう指導すること。

以 上

 

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