「表現の自由」を否定し、侵略戦争と旧日本軍の肯定・美化をもとめる高須克弥氏、河村名古屋市長による知事リコール運動に反対する
2020年7月21日 日本共産党愛知県委員会
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美容外科「高須クリニック」院長の高須克弥氏が代表となっている「お辞めください大村秀章愛知県知事 愛知100万人リコールの会」は、8月1日から大村知事のリコールを求め直接請求署名を開始するとしています。あいちトリエンナーレ開催の名古屋市負担金の支払いを拒否し、県から請求訴訟を起こされている河村名古屋市長は、高須氏らの知事リコール運動にただちに賛意、支援する態度を表明し、すでに街頭で宣伝するなど、行動をともにしています。
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高須氏や河村名古屋市長が知事のリコール運動をおこなうとする理由は、昨年開催され、テロ予告や妨害で一時中断となった「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」の作品の中に、昭和天皇と日本軍人を侮辱、揶揄する表現があったと一方的に問題視したうえで、県と名古屋市が主催する公的事業である企画展に、そうした表現の作品を展示したのは誤りであり、その展示を許可し、企画展を開催・再開した大村知事は、知事にふさわしくない、というものです。
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この高須氏、河村名古屋市長らの主張は、「表現の自由」を保障した憲法21条、文化芸術基本法に反するものです。憲法21条は、「一切の表現の自由は、これを保障する。検閲はしてはならない」とあり、文化芸術基本法は、「我が国の文化芸術の振興を図るためには、文化芸術の礎たる表現の自由の重要性を深く認識し、文化芸術活動を行う者の自主性を尊重すること」として「表現の自由」に対する国と自治体の責任を明記しています。
高須氏や河村市長にとって受け入れられない表現の作品だからといって、公共の展示会に展示されるのは誤りだとする主張は通りません。それどころか市長たる河村氏には、文化芸術活動を行う人の自主性を尊重し、多様な表現を発表する場を保障して「表現の自由」を守る立場にたつことが義務づけられているのです。
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「リコールの会」代表である高須克弥氏は、「偉大なナチス」「盟友ナチス」などとヒトラー・ナチスを礼賛する発言を繰り返してきた人物です。「南京もアウシュビッツもねつ造」と発言しており、「南京大虐殺はなかった」と発言する河村市長と歴史改ざんであい通じていました。河村市長は、旧日本軍「慰安婦」の被害を表した「平和の少女像」の展示を問題視し、「日本人の心踏みにじる」として作品の撤去を迫り、ツィッターでは「国辱」「不敬」など戦前的言葉を使い攻撃をしました。
今回の高須克弥氏、河村名古屋市長による知事リコール運動には、企画展の作品の表現を「日本人の心を踏みにじるもの」とすることで、2千万人こえるアジア諸国民と300万人をこえる日本国民の命を奪った侵略戦争を肯定し、それをすすめた旧日本軍を美化する彼らの考えへの同意を広げようとする意図があることは明らかです。
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「表現の自由」を否定し、侵略戦争と旧日本軍の肯定・美化をもとめる知事リコール運動に正当性はありません。命がけで侵略戦争と軍国主義に反対してたたかった日本共産党として、この取り組みを許すわけにはいきません。日本共産党愛知県委員会は、「表現の自由」を守り、日本の平和と民主主義をもとめる諸団体、愛知県民とともに、知事リコール運動に反対する一大運動をすすめる決意を表明するものです。
以上